午前0時、魔法が解けるまで。-ラブ♡スキャンダル-



「あ、起き――」

「かおるくん」



ぼんやりとした瞳が俺を捉えて、確かにその名前をつぶやいた。

思わず押し黙り、白戸さんを見る。


普段キラキラと星を飛ばしそうな綺麗な瞳は今は涙でにじんでいて、瞬きと同時にその瞳から星の欠片をこぼした。



「私だけ、見て」



蚊の鳴くような小さな声なのに、よく通る。


白戸さんのうわ言のような、愛しい人への告白は次第にすすり泣く声に変わっていく。

判断力が完全に狂ってしまっている彼女は、俺を砂川くんと勘違いしているらしい。


弱い力で腕を引かれて、そのまま背中に腕が回される。


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