午前0時、魔法が解けるまで。-ラブ♡スキャンダル-
「なに?僕が悪いって言うの?だって見るからにこいつトロそうだし無能そうじゃん!」
ザクザクと殺傷能力の高い暴言が身体中に突き刺さって私は言葉を無くしていた。
こんな展開になるとは思っていなかったのか、いつも涼しい顔をしている薫くんも私の隣で笑顔のままフリーズしている。
「礼儀がなってなくてすまん。俺は桃山 大地(ももやま だいち)だ。こっちの小さいのは東雲(しののめ)ひかる」
「ちょっと!離してよ!」
頭を掴まれて無理矢理頭を下げさせられた美少年……東雲くんは髪の毛がクシャクシャになるのも構わずその手を振り払った。