午前0時、魔法が解けるまで。-ラブ♡スキャンダル-
「先にシャワー浴びてきたら?」
そう言った城谷さんの手が離れて、彼は欠伸を噛み殺した表情で上半身を起こした。
鍛え抜かれた無駄のない身体。
かと言って無闇に恐怖心を煽るようなボディラインではない。
素肌にぶら下がるネックレスがまたそれを強調していて妙な色気を醸し出している、男らしく筋肉質な肌が惜しげもなく晒されていた。
「あの……ここは?」
「ロケ中俺が宿泊してるホテルだよ。昨日白戸さん、潰れちゃったからここに連れてきた」
城谷さんはそれ以上のことは語らずにベッドの下に落ちている昨日着ていた自分の服を拾い上げている。下は着ているみたいで良かった。
「今日の撮影、白戸さん達も午後入りでしょ?ゆっくりしていけばいいよ」
そう言われて、私はハッとしてベッドに設置されたデジタル時計を見る。
示している時間は午前7時前。
朝だった。