午前0時、魔法が解けるまで。-ラブ♡スキャンダル-
「……い、いえ。か、帰ります」
「そう?なら俺はシャワー浴びてくる。鍵は掛けなくて大丈夫だから」
そう言いながら城谷さんは着替えやバスタオルをベッドの上に放り投げて、浴室の方へ向かった。
一体何があったんだろう。
昨日、お酒を飲んで潰れて……それから?
どうして、城谷さんと同じベッドで裸で寝ていたんだろう。肝心なところが思い出せない。
――何も、覚えていない。
シャワーの音に混じって聞こえてくる、微かなスマートフォンの着信音に私はビクリと身体をすくませた。
「け、携帯……」
音の鳴る方を探し当てると、床に散らばったスカートのポケットに私のスマートフォンが入っていた。
慌ててポケットから取り出して画面を確認すると、薫くんからの着信だった。