午前0時、魔法が解けるまで。-ラブ♡スキャンダル-



『それでね、ニュースにもなってたから知ってると思うんだけど……』

「あ、ごめん白戸さん洗顔取っ」

「わあああああああああああっ!!」


薫くんの声にかぶさるようにして浴室から顔を出した城谷さんに思わず悲鳴を上げて通話終了を押してしまった。


「……あ。せ、洗顔ですね」


薫くんに"間違って切ってしまったのでまたあとで連絡します"と簡潔にメッセージを送って、テーブルの上に置かれた洗顔のチューブを手に取る。


「ごめん、電話してた?」

「まあ……」


自分のカバンを乱雑に拾い上げて、城谷さんの元へ向かう。

できるだけ彼を見ないようにして洗顔料を差し出すけど、城谷さんはなかなか受け取ってくれない。



< 94 / 158 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop