午前0時、魔法が解けるまで。-ラブ♡スキャンダル-
不審に思って視線をちらりと城谷さんの方に向けると、彼はなんとも言えない表情で私を見つめていた。
「……電話って、砂川くん?」
「は、はい。昨日連絡なくて心配したって」
ポタ、と洗顔料を差し出す手の甲に水滴が落ちてその冷たさに驚いて手を引っ込めようとすると手首を掴まれた。
「昨日のこと、覚えてる?」
城谷さんの薄い唇が震えて、シャワーの音に混じって彼の声が響く。
熱っぽく真っ直ぐに私の目を見つめてくる城谷さん。
どうにも居心地が悪くてうつむくと、ちょうど視線の先はタオルを巻かれた城谷さんの腰のあたりだった。