午前0時、魔法が解けるまで。-ラブ♡スキャンダル-



話とはたぶん、北原さんのことだろう。


それに対して何か思うよりも、一刻も早くシャワーを浴びて身体に染み付いた薫くんのものではない香りを落としたいと思うことでいっぱいだった。

頭の中を支配する罪悪感で心が潰されそう。


「その前に、聞きたいことがあるんだけど」


突然薫くんの声のトーンが落ちて、私は弾かれるように顔を上げて薫くんを見た。


「さっきまで誰かといたの?」


一瞬頭が真っ白になって意識が戻ってきた時には、不安と怒りと疑念と、色んな感情が混ざったような複雑な表情をした薫くんの顔が近くにあって、私は思わず息を呑んだ。

無意識に唇を噛んでいたようで、遅れて痛みがやってくる。


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