Sanctus(=感謝)
*空said*

廊下で月とすれ違って
減ってない実の朝ごはんを持って
病室に向かう

トントン
お盆を持っているから落とさないように
ノックする

空「実?いるの?」

返事がないからそう言ったが
本当にいるのか?

ゆっくり扉を開けて中に入る
すると、ベッドの上で布団を被った実を発見

机の上にはゼリーが乗っている
そういえば、お盆の上にはゼリーがない
月がゼリーだけ置いていったのか

空「実、出てきて?」

布団をめくればいい話だけど
さすがにかわいそうだ
この前も半強制的に布団から引っ張り出したし

実(ガサゴソ)

んん?
布団は動くけど顔は出てこない

空「大丈夫だからおいで?」

お盆を机の上に置き
ベッドの横に座って声をかけてみる

実「ん…」

顔だけ…
というか目だけ布団の中から出てきた
ニコッとするとまた布団の中に…

空「おいでって また布団めくるよ?」

少しだけ脅すように言ってみる
今度は、ちゃんと顔を出してくれて
弱々しく抱きついてきた

空「どうした?膝の上にくる?」

実「ん……」

なんかいつもより甘えただな
布団から出た実をぎゅってしてあげる






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