Sanctus(=感謝)
*月side*
実がもうすぐ退院する
けど、、
その前にちょっと診察

既に泣いているけど
これは想定内だから大丈夫

月「実、ちょっともしもしさせてねー」

そーっと聴診器を当てると
ビクッとしたが
そんなに動かないし、
ちゃんと息もしてるし今日はよく頑張ってる

今にも逃げ出しそうだけど

月「よしよし、次アーンして?」

頬にそっと手をあてて
ペンライト片手に口が開くのを待つ

実「ん、、ぁー」

うん、大丈夫そうだね

あとは実の嫌いな採血だけ
動かずに頑張れるかなー?

月「お手手貸して?」

ビクビクしながらも
手を差し出してくれた

まあ、いまから何するか
分かってないんだろうけど

月「そのまま動かないでね?
お目目つぶってごらん?」

実「んぅ……や」

やっぱり一筋縄ではいかないか

月「大丈夫、ほらお目目つぶれる?」

うるうるした目でこっちを見つめてきたけど
思ったより早く目をつぶってくれた

月「いい子だねー、ちょっと冷たいよ」

いやいやと動き出す前に
消毒して、すぐ針を刺した

実「(ビクッ)やっ!やっ!」

もう少しで終わりだから
ささっと終わらせて
実を褒めてやる

珍しく動かなかったから
なにかご褒美でも上げたいところだけど
さすがに上げれない

月「よく頑張ったね!お部屋帰ろうか」

頭を撫でて
抱っこしたら、腕の中で
眠ってしまった

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