二度目の正直。《短編》
文化祭の日。
まさか川村さんが来るなんて
思っていなかった
川村さんが俺のクラスのドアから
ひょこっと顔を出した時は驚いた
俺は裏方にいたから川村さんには
気づかれなかったけど。
執事の格好なんてできるかよ。
クラスのやつの反対を押し切り、
俺は裏方に入ったんだ
「常磐ー、休憩入っていいぞー」
クラスのやつに言われた。
遠慮無く休憩に入る。
でも、一緒に回る奴なんて特にいないから
一人で学校をうろうろすることにした
すると、
「結構可愛い顔してんじゃ~ん
俺と一緒に回ろうよ?」
「あ、あのごめんなさい…」
「は?ぶつかってきたあんたに断る権利
なんてないだろ、早く来いよっ」
ナンパの現場に遭遇してしまった
しかもナンパしてる方は
かなりたちが悪そうだ
ナンパされている人を見た時、
一瞬動きが止まった
川村さんだ。
「……バカじゃねぇの」
何、ナンパされてんだよ