二度目の正直。《短編》
でも、ほっておくこともできなくて。
「離してあげれば?」
気づいたらナンパを止めていた
「常磐君……」
その時の川村さんの嬉しそうな
表情は見ないことにしておく。
「は?お前には関係ねぇだろ」
「……そうだね」
隣にいる川村さんがあからさまに
シュンとする。
彼氏とか言って欲しかったわけ?
俺、そんなキャラじゃないし。
「…でも」
少しくらい優しくしてやってもいいけど。
「困ってるじゃん」
そう言って川村さんを俺の背中に隠した
「…ちっ」
ナンパしてた奴は去っていった