二度目の正直。《短編》
「か、彼女できたっ?」
突然の川村さんの言葉にキョトンとなる
それ自分の墓穴掘ってるだろ。
それでもって自分でアタフタしてるし。
そんな川村さんに笑いがこみ上げてくる
「くくっ、川村さん、変わってないね」
見た目はちょっと大人っぽくなったのに
性格が全然変わってない
それに少しホッとしてる自分がいる
「常磐君だって…!
かっこよくなったけど!」
川村さんの言葉に驚く
かっこよくなった?俺が?
何にも変わってないと思うけど?
何だかくすぐったい気持ちになったのは
川村さんには秘密だ
「彼女いないよ」
俺がそう言うと川村さんは
あからさまにホッと胸を撫で下ろす
わかりやすすぎる…
だから、少し意地悪をしてやった
「川村さんは?新しい出会いあった?」
俺の言葉に川村さんは
少し傷ついたような顔をする
「あるわけないよ!だって…っ」
川村さんはそこまで言って言葉を止める
その言葉の続きは何?
「だって、何?」
俺がそう聞くと川村さんは
無理矢理な笑顔を作って言う