二度目の正直。《短編》





「な、何でもないよ…っ!」



へぇ…何でもないね。

そういう顔には見えなかったけど。




「川村さんの高校の文化祭はいつ?」

「え、私?来週だよ」


自分のことについて聞かれると思っていなかったのか、ポカンとした顔をしながら答える川村さん。



「そろそろ帰るね。
 常磐君、じゃあね!」

「うん、またね」


俺が『またね』と言うと
川村さんは俺が返事したことが
嬉しいという顔をした




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