二度目の正直。《短編》
すると、突然後ろから腕を引かれた
後ろを振り向くと、そこには。
熊の着ぐるみの顔。
「う、海島君…?」
「こんなことしててもつまんないじゃん
二人で抜けようよ、川村さん」
さぁ、と言って海島君は私の腕を
引っ張って連れて行こうとする
着ぐるみだから、誰にも怪しまれない
う、男の子の力ってこんなに強いの…?
腕が引きはがせない。
掴まれている腕が痛い…。
誰か助けて…………
「離してあげれば?」
急に掴まれていた力がなくなる。
1週間前にも聞いたこの台詞
常磐君。