二度目の正直。《短編》
そして、川村さんの高校の文化祭当日。
俺は一人で川村さんの高校へ向かった
クラスまでは聞いてなかったから
学校内をウロウロ歩く。
そこまで大きな学校じゃないから
すぐに見つかるだろう。
そんな矢先、数メートル先に歩く
川村さんを見つけた
声をかけようとしたけど、すぐ後ろに
着ぐるみが歩いているのが見えた
あの背は……男だな。
歩き方とか仕草も男だ。
まぁ、仕事の事情だろう
そう思いしばらく見ていると、
川村さんが後ろを振り返って
何か笑顔で言っているのが見えた
そのあと、着ぐるみは川村さんの肩に
手を置いて歩き始めた
ほんと、無防備。
どうせ、人混みだから肩掴んでていいよ
とか言ったんだろ…
はぁ、と思わず溜息をつく