二度目の正直。《短編》





もうしばらく見ていると、

急に着ぐるみが川村さんの腕を引いて
耳元で何かを囁いているのが見えた



…むかつく。


川村さんも焦ったような顔してるし。


俺以外のやつに
笑顔もそんな顔も見せんなよ。





「離してあげれば?」


1週間前と同じ台詞を言う


川村さんはすごくビックリした顔をした



「は?仕事してるんだよ
 お前には関係ないだろ」


相手も期待通りの返事をしてくれる


川村さんは少しシュンとする

俺がまた「そうだね」って言うと
思ってるんでしょ?


もう、そんなこと言わないよ

というか、言えない。






< 43 / 57 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop