二度目の正直。《短編》
もうしばらく見ていると、
急に着ぐるみが川村さんの腕を引いて
耳元で何かを囁いているのが見えた
…むかつく。
川村さんも焦ったような顔してるし。
俺以外のやつに
笑顔もそんな顔も見せんなよ。
「離してあげれば?」
1週間前と同じ台詞を言う
川村さんはすごくビックリした顔をした
「は?仕事してるんだよ
お前には関係ないだろ」
相手も期待通りの返事をしてくれる
川村さんは少しシュンとする
俺がまた「そうだね」って言うと
思ってるんでしょ?
もう、そんなこと言わないよ
というか、言えない。