二度目の正直。《短編》
「私、帰るね…っ」
「え、雪乃…!?」
私はファミレスを出て
どこへ向かうでもなくただ歩いた
「雪乃っ!」
後ろからがしっと腕を掴まれる
涙を溜めた目で
常磐君を睨むように見つめる
「…どうしたんだよ」
「常磐君は私のこと好きじゃないんだよ」
常磐君は不思議そうな顔をする
「私と手繋いだり、キスしたり
しようとしないじゃん!
さっきだって、恋人らしいこと
しようとしたのに…」
「だから、それは…」
「本当は自分でわかってるんでしょ!?」
はぁ…と溜息をつく常磐君。
勢いで言ってしまった
私に幻滅しちゃったのかも。
「…雪乃が。」
…私?
「雪乃が可愛いことするから、
そういうことしたら
止まらなくなりそうで…できなかった」
「言ってくれなきゃわかんないよ…」
「こんなの格好悪くて言えるわけない」
ごめんな、って言って
私の頭を撫でる常磐君