二度目の正直。《短編》
「ねぇ、止まらなくなってもいいから
恋人らしいことして?」
「だから、そういうことを…」
私は常磐君を見つめ続ける
常磐君は観念したように目をそらした
「わかったよ……でも」
「でも?」
「雪乃が俺のこと名前で呼んだらね?」
へ?名前?
「恋人らしくなりたいなら
名前で呼び合うくらいしなきゃね?」
口角を上げて微笑む常磐君。
なんか改めて言われると言いにくい…
「か、…かなた」
「ん?聞こえない」
「か、かなた…」
「もう一回」
「叶多!」
「……よくできました」
その瞬間、唇が重なった
「んんっ………」
手も繋いでないし、
抱きしめ合ったこともないのに
いきなりキスですか…
でも、甘くて甘くて。
すごくドキドキとした