『私』は嘘がお上手。
1日目 ~日常からの逸脱~
一人で下校するのが私、相原夏目の日常。
親友のルリ子は女バス部のキャプテンだから、帰宅部の私とはいつも時間が合わない。

慣れているとはいえ、薄暗い道だ。怖さは拭えない。人通りは少なく、車もめったに通らないので、静けさに溢れている。
まぁ、ルリ子とならバカな話して、大笑いして、怯えなんて感じないんだろうけど。
そんな想像をしていると、背後から車が迫る音がした。
立ち止まって道を空けると、車は何故か私の前に止まる。
黒くて、大きい車だった。 
あれ?ナンバープレートが、付いていない。どうしてだろう・・・

ガッ。不意に、音がした。私の後頭部を殴った音だと気づくのに、数秒かかった。続けて私を襲う激痛。思わず、前に倒れる。誰かが車のドアを開けて、後ろから私を車へ突っ込んだ。抵抗しようとしても、体がいうことをきかない。苦しい。痛い。しんどい。

そこで、私の意識は途切れた。
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