どうも、うちの殺人鬼(カノジョ)がお世話になってます。
「こんにちはー!この間お電話させていただきました、唐沢財閥でーす!」
出前の蕎麦でも届けるような軽すぎる挨拶で、真吹が先に門を開けた。
外にいた施設長らしき女が応対する。
「あぁ、唐沢様!お待ちしておりました。早速中へどうぞ」
いつもの事だが、ここでもほぼ俺の顔パスでセキュリティとか関係なくすんなり入れた。
「応接室にて、子供達の情報帳をお見せしますので、こちらへ」
施設長の後を歩きつつ、廊下から窓越しに中を見る。
当然の事だが、子供がたくさんいた。
いくつか幼稚園の組み分けのように部屋が分かれていて、皆思い思いに過ごしていた。
もくもくと勉強する女子、ブロックで遊ぶ男子、喧嘩してる奴。
……使用人にするには、ヤンチャすぎるな。もっと大人しい奴はいないのか……
「ん?」
一人、部屋の隅でじっとしている少女を見つけた。
寝てるのか?