どうも、うちの殺人鬼(カノジョ)がお世話になってます。

首から手が離れたのを見計らって、私は転がるように女から離れた。


……けほっ。やっと解放された。

とりあえず、乱れた呼吸を整える。


だけど、まだやる事は終わっていない。


背中に刺さった包丁の柄に全体重をかけ、刃を全て身体に埋めた。


背中から棒が生えてるような、シュールな光景だ。


ろくに食事をとってないせいで力の無い私だが、刺した場所がピンポイントだったのか、女はもうピクリとも動かない。


よし。


刺したばかりの包丁を勢い良く抜いた。

鮮血が赤い噴水のように飛び散る。

私の服や顔にも付いた。


……温かい。


女の腕を触ってみると、どんどん冷たくなっていった。

これが、『死ぬ』なのか。



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