どうも、うちの殺人鬼(カノジョ)がお世話になってます。





……はっ。

私はガバッと身体を起こした。

……夢。

随分懐かしい夢を見た。

心地よくて、でも残念で、どこか寂しい……


「先生……」


気がつくと、涙がボロボロ零れていた。

あの後、先生はなんて言ったんだっけ。

先生は、どこへ行ったんだっけ……

思い出せない。

でも、今も昔も、ただ人の温もりが恋しかった。

時流様が用意してくださった毛布も、綺麗な寝間着もあるのに、身体が冷たく感じた。

真吹さんも蝶野さんもまだ帰ってきてないからか、屋敷全体が寒く感じる。

暖房器具とか……どこにあるのかな。

あっても、馬鹿な私には使い方とか分かんないだろうけど。


「……時流様」


こんな深夜に呼ぶなんて、失礼にも程があるけど。

これじゃ寒くて眠れないし、呼んでこよう。

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