どうも、うちの殺人鬼(カノジョ)がお世話になってます。
小紺【肆】
……やってしまった。
私ってば、ご主人様の前でなんて事を……
なんで、何の罪も無い人にきつい事言っちゃったんだろ……
絶対、変な奴って思われちゃったよ……
時流様達から見えない場所で、私は頭を抱えた。
今朝時流様に耳元で名前を呼ばれてから、動揺してしまってる。
下の名前で呼んでくれたのなんて、先生しかいなかったから、びっくりした。
それに、時流様のお声……とても綺麗だった。
低く響くような、落ち着いた声が、あの時鼓膜を震わせた。
『小紺』
思い出しただけで、身体中の血液の流れが早くなる。
たった三文字なのに、どうしてこんなに心臓が熱くなるんだろう。
ご主人様という特別な存在になった人だから?
私に優しく色んな事を教えてくれるから?
児童養護施設に大勢子供がいる中で、私だけを選んでくださった人だから?
それとも、他に理由があるのかな……