どうも、うちの殺人鬼(カノジョ)がお世話になってます。
小紺【伍】
☆
「……それが課題……ですか?」
「はい。まだまだ締切は先です。ゆっくりじっくり考えて、実行してくださいね?」
私は先生から言われた課題に愕然とした。
どういう事なのか、幼い私にはまだ分からないけど、笑顔で恐ろしい事を言っているのは理解出来た。
どれだけ殺気を消しても、笑顔を見せても、言葉から滲み出る黒いものは消せてない。
私の身体にまとわりつくように、やけにその言葉が頭に残る。
前に先生は『言葉には魂が宿る』って言ってたけど、こういう事?
「Il n'y a pas de répétition. Ne manquez pas la chance, et réussissez en une fois, s'il te plaît ?(リハーサルはありません、チャンスを逃さず、一度で成功させてくださいね?)」
茶目っ気たっぷりに、唇に人差し指を当てる先生。
先生の流暢なフランス語はよく分からないけど、得体の知れない安心感を与えてくれる。
けど、それが余計に怖かった。