どうも、うちの殺人鬼(カノジョ)がお世話になってます。
時流【伍】
……っあー、クソ、いってぇ……
俺は車で当てられた脇腹をさすりながら、遠ざかる車を見送る事しか出来なかった。
俺の中じゃ市木がすぐ変装を見破って、悲鳴上げて、近くの交番の警官が来て即逮捕って算段だったんだが……さすがに無理だったか。
「時流様!どうなさいました、何やら騒音が聞こえましたが……」
執事服の男がバタバタと駆けてきた。
……蝶野?
さっきのが変装した他人なら、こっちが本物か。
いや、もしかしたらこいつも偽物って可能性も無くはない。
俺はみょっと蝶野の頬を抓る。
「いっひゃ?!何するんですか、時流様!」
ふむ……変装じゃない?
じゃ、最後に確実に本物かどうか分かる言葉をかけてみるか。
「……兄貴の馬~鹿」
途端に蝶野のこめかみに青筋がビキビキと立つ。
「……ってえっつってんだよ調子のんな時流!!」
ゴン!