友達以上、恋人以下。
「今日は〜文化祭の注意事項について〜説明しま〜す。委員の人は〜しっかり聞き逃さないようにして〜メモを取り〜〜クラスの人に伝えてくださいね〜〜〜」

委員会の担当のハゲの先生、名前も覚えてないけどとにかく話し方が嫌い。

「なあ、佐々木」

ぼそっと、わたしを呼ぶ低い声が聞こえた。

「へっ?」

小林か、いきなり呼ぶから変な声でちゃったじゃない。

「おれ、あの先生まじで嫌いなんだけど、帰っていい?笑」

小林はヘラヘラ笑いながらも、相当イライラしてるみたいだった。

「ちょ、待ってよ!私だってあんな先生の話を聞くのに一人で座ってるのいやだよ…!」

焦りながら答えると、小林はハーーっとため息をついて項垂れた。

「…だよなぁ…早くおわんねーかな…」

「そうだね…あの先生じゃなかったら別にいいのになぁ〜」


と、小林とはただこれくらいの会話ができるくらいの仲だった。

たまにラインでテストの範囲を聞かれたり、委員会のことの確認だったり、本当に事務的なことしか話さないし、話したいとも思ってなかった。
< 4 / 19 >

この作品をシェア

pagetop