見ない振り
そう答えた私に驚いたように目を見開いた彼は、興奮気味に口を開いた。


「僕も同じですよっ。凄い偶然だなぁ〜」

「そうなんですか?本当に偶然ですね」


_____…知ってたよ。


「桜さんとは初対面のときも何だか初めて会った気がしなかったもんな〜」

「ふふ、…私もです」


_____…だって初めてじゃないもの。



テンションが上がったのか、嬉しそうに話す彼を見ていると懐かしい記憶が蘇ってくる。

< 5 / 10 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop