君の好きが聞きたい。
私が通う学校は、私の家から歩いて行ける距離。

だから、選んだといっても、過言ではない。

なのにこんなダッシュで行くなんてっ…

「あぁ!もう、遅れちゃう!!」

ドンッ

「うぎゃぁっ」

大胆に尻もちを付いてしまった。

もう、急いでるのに……

「…いったぁ………あ、すみませんっ!」

「…いってぇ」

同じ制服…?

確かにぶつかった彼は、私と同じ制服を着ていた。

って!

そんなこと考えてる場合じゃないでしょ、私!!

遅れちゃうっ!!!

「すみません!失礼しますっ」

ペコッと深くおじぎして、後ろなんて振り返らずに駆け抜けて行く。

今日は本当に付いてない……

でも、入学早々遅れるなんて絶対にいやだ。

あの人にはまた会うでしょ、同じ学校なんだから。

見つけたら謝ればいいや!

とりあえず今は急ごう。
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