カズキ、10年愛〜不良のあなたに恋をして〜前編
街に戻ってから、三日目にようやく、家が決まった。




その間、俺らは、婆ちゃんの家に世話になった。


婆ちゃんは何も言わず黙って迎え入れてくれる。


本当に有り難たい。



新しく決まった家は、木造2階建ての小さなアパート。




6畳×4畳のちいさな一室。




引越して来たと言うものの布団も、テレビも何もない。



「布団ないのは、キツイナ…」



俺がそう言うと、母さんは調達して来ると言って出でいった。




昼に出で行ったきり、なんの音沙汰もなく、夕方になっている。


「腹減ったなぁ…」


朝から何も食べてなかった。


兄弟で家の中をゴロゴロとしていた



その時だった。


ドアが激しく音をたてる!!








ドンドン!ドンドン!







「オイ!居るのわかってんだぞ!でてこいや!」
そう、この声は忘れもしない!







有田だ…






< 141 / 284 >

この作品をシェア

pagetop