カズキ、10年愛〜不良のあなたに恋をして〜前編
「ねぇ?聞きたい事があるんだけど?いいよね?」


ダメだなんて言わせないと言う口調で、私に詰め寄る。


「何?」

強がりながらも私は内心怖くてたまらない。



「あのさ~あんた、私のもの盗らなかった?」

「ものってな…に?」

「惚けないで!
カズキよ!カ。ズ。キ!」




「カズキは私の彼氏よ?
それに、カズキは物じゃないっ!!」




佳子は一瞬怯んだ。


「ごちゃごちゃ、うるせぇんだよ!
ていうーか別れろよ!」


「ハァ?何で別れるの?
あんたに指図されるおぼえないからっ!」




パシン!!!


乾いた音が教室中に響きわたる!

同時に左頬に強烈な痛みが走った。





「った…」


私は思わず左頬を両手で押さえた。



「フン!生意気な奴!!

ねぇ?そう思わない?」



佳子のその言葉は、私に向けているのではなく、廊下に向かって発声られている。


それを合図かの様に、一人、一人、また一人、ズカズカと教室に入りドアを閉めた。



あっという間に佳子を含む4人に取り囲まれてしまった。




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