カズキ、10年愛〜不良のあなたに恋をして〜前編
「舞ちゃん?何があったのか聞かせてくれるかな?教室の出来事は平田が見てる事は聞いたけどね。」


「…真由美さん。誰が運んでくれたの?」

「平田から連絡貰ってさ、私と、シュンと、もうひとり、偶然いた松岡って奴とで、運んだわけ。
先生や、生徒にばれないよにするの大変だったんだから。」



真由美さんは思いだしたようにクスクスと笑っている。



「平田がいなかったら、私…もっとやられてましたね。」


「まぁね…。あの佳子って女、手が付けられいくらい、思い込み激しくてね。私達、目上にはいい子ぶるから、評判は良いんだけどさ、ただ、気に入らない子には容赦なくてさ。
そこが心配なんだ…。」



私は唾をゴクリと呑んだ。



「だから、何があったか、教えて?」



この人は、本当に私の事を心配しているんだと思ったら、私は涙が溢れて止まらなくなってしまった。


真由美さんは、何も言わず私の背中をさすり、泣きながら、話すぐちゃぐちゃな私の話しを聞いていた。


知らない先輩に、席を離すように言われた事。

私物が消えて嫌がらせを受けた事。

家に宅配のいたずら、

無言電話。


料金不足で封筒が届き、中にはカミソリが入ってた事。


そして、忘れ物したかと思い、教室にもどり探していたら、実は佳子が盗み私をハメて、カズキと別れろと、脅された事をみんな、すっかり、話しをした。



その間、「うん、うん」と真由美は何も言わず、聞いてくれていた。

あの時、真由美さんの存在は私にはとても大きかったんだよ。

真由美さんがいなかったら今の私はいなかったはずだよ




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