カズキ、10年愛〜不良のあなたに恋をして〜前編
シュンさんの家の前に着いた。

急ぎ足で来たせいで、呼吸が少し上がり気味。

運動不足だなぁ…。

なんて考えながら、大きく深呼吸。

す~っ。はぁ~~っ。





「よしっ。」




何故だか、小さな気合いを入れてチャイムを鳴らした。


ピンポン♪


《はい》

「あっ!舞です!」

《あ? ええ?舞?》

対応に出た、真由美さんは慌てた様子で玄関を開けてくれた。



「舞ちゃん!
どうしちゃったの?
塾じゃなかったの?」



「カズキからの手紙が届いてね。
その事を知らせたくて、サボっちゃった!
      …えへへ」

「えへへ、じゃないわよ?
ったく…。
大事な時期なんでしょ?」



真由美さんからの予想外の言葉に、私のテンションは一気に下降。

一緒に喜んでくれると思ったんだけどな…。

捨てられた子犬の様に、しゅんとしてしまった。


その姿を見て、可哀相に? 思ったのかは判らないけど、呆れた様子で家に真由美さんは、家に上げてくれた


「真由美さん。これ…」



私は、居間に入るか、入らない内に手紙を手渡した。

だって…。早く見て欲しいんだもん。


真由美さんは、どっかりとソファーに腰をかけて、手紙に目を通していた。


「やっぱりね…」

真由美さんが言った、その言葉意味が、私には理解ができなかった。


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