カズキ、10年愛〜不良のあなたに恋をして〜前編
私だって見たいよ!
待ち望んでいたはずなのに。
素直に喜べないなんて…
神様って酷いよね…。
「多分シュンさんから聞いてると思うけど。
俺…捕まっていたんだ。
捕まった事は、後悔してないよ。」
甘い彼の声に眩暈をおこしそうだ。
たった布団一枚隔てた距離なのに…
なのに…
こんなにも、遠く感じるなんて…。
「―…舞?」
カズキの手がそっと布団に、触れた感じが伝わる。
ビクンッ!!!
瞬間私は叫んでしまた
「さわらないで!!」
「舞…!?」
カズキの困惑してる声が聞こえる。
本当は、死ぬほど触れて欲しい人の手なのに・・
-その時だった。
コンコン
静かにドアが開く。
どうやらお母さんが、来たようだ。
「また明日。」
そう言い残しカズキは、病室から出ていってしまった。