カズキ、10年愛〜不良のあなたに恋をして〜前編
直ぐさま私は、ナイフでえぐられたような、衝撃に襲われる…


恐怖で引きつりながら立ち尽くす私を、横目で佳子は楽しそうな様子で、
見下ろしている。

また…またなの?!

ギュッと唇を噛み締めながら私は、精一杯の勇気を振り絞った。



「カズキは…誰にもあげないんだから!
あんたなんかには、死んでもあげない!!」


「テメ~調子こいてるんじゃねぇよ!!」


   ドンッ!!!


右肩を佳子が怒りのあまり、どついてきた。



「…ったぃ」

「フン!かわいこぶりやがて!たいした痛くないくせに!」


私は、キッと佳子を睨みつける。




「あら…やる気??」



涼しいそうな顔で、嫉妬に燃え上がる瞳を向きだしに、私を見下ろしている。

佳子は、ポケットから黄色いカッターを取り出してきた。

こいつなら、絶対私の顔なんて躊躇なく切ってくるに違いない。

マジで佳子頭おかしぃんじゃないの?


今にも切り付ける様子で、佳子がジリジリ歩み寄ってきたその時。



「佳子!いい加減にしろよ!こいつは、俺の女なんだから!」



グイッとカズキは、腕を引っ張りすっぽりと、腕の中に私は、納まってしまった。


突然の出来事に、心臓がドキドキと高鳴る。


佳子は…1?


すぐに佳子の方へ、視線を向けると…

益々不機嫌な様子に、変わっていた。





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