カズキ、10年愛〜不良のあなたに恋をして〜前編
佳子は、フフっとニヤついてこちらを凝視している。


ユキが私の異変に気が付いた様で、佳子を睨みつけながら近寄ってきた。


「舞大丈夫?」

「うん。平気。早く行こう?」

内心私の心は、佳子の事なんてどうでもよく、早くカズキの事を知りたい気持ちでいっぱい。


「うぃーす!」

私達を見つけたのか、平田が近くにやってきた。

相変わらず、身長が高く、白い開襟シャツをズボンから全てだしていて、切れ長の一重の目が印象的な平田だった。


「こんな所までどうした?」

一重なのにちっとも気にならないぐらいな、優しい眼差しでユキを見つめている。

ユキも大きな黒い瞳をキラキラさせながら、平田を見上げていた。


ああ…。
この二人って本当に、愛し合ってるんだなぁ。
ってわかるぐらい。


「舞がカズキを探すから、その付き合いなの。」

「え…?カズキ?
今回参加してねぇよ?」

「「はっ?!?」」






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