カズキ、10年愛〜不良のあなたに恋をして〜前編
ハァ、ハァ、もう、フミったら変な事言うから…

遅れちゃうよ…。





慌て玄関に駆け込む。




「ただいま!」




2階の部屋へ入ると、乱暴に鞄をほうり投げ、代わりに、塾鞄を捕まえて道具を調べていた。




ピンポン♪





インターホンがなった。





ピンポン♪





うざっ…早くでろよ…






ピンポン♪







「おかぁ~さん!
誰か来てるよ!?」
下に向かって叫んだ。






ピンポン♪





誰もいないのかな?
もぉ…!!

私は駆け降り、リビングのドアを開ける。



「お母さん?居ないの?鳴ってるよ?」




リビングには誰もいなく、テーブルの上に、買い物に行ってるという、メモが残っていた。





ピンポン♪




私は慌てインターホンの受話器をあげた。




《宮坂です》

《お待たせしました。ピザ屋です。》

《はい?!》

《ピザお持ちしました》




ピザ…メモには何もかいてないし、それに…!


お母さんは、チーズは大嫌い! だからピザは食卓に上ることはまずない。




《何かのお間違えじゃないですか?
頼んでませんよ?》

《え?確かに東30条の宮坂さんですよね?》

《そうですけど。私の家はチーズが嫌いなのでピザはまず頼みません》

《……わかりました》




インターホンは切れた。






まさか…! あの、例の嫌がらせ??








< 59 / 284 >

この作品をシェア

pagetop