カズキ、10年愛〜不良のあなたに恋をして〜前編
気がつけば…


僕達は5人兄弟になっていた。



僕と、一つ違いの弟以外はみんなまだ、幼かった。




僕と、弟と、小学校に上がったばかりの妹は、決まって給食のパンを残す。




だって、母さんがいつ帰ってくるかわからないから…


それで、他二人の飢えをみたした。




母さんが家にいる事があってもいつも眠っている。



僕は、小学生になってから一度も朝ごはんを食べた事がない。



夕食はたまに母が作ってくれる事があると



、弟、妹達は大喜びだった。




僕は、大きくなったら。



調理師になりたいんだ。




だって僕の料理でお腹いっぱいに食べられでしょ?





暖かいご飯をいつかお腹いっぱい食べさせてみたいんだ。









―俺は中学生になった。







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