【完】桜が咲く前に~キミとみっつの約束~
「何を隠してるの?」
私が聞くととーくんは唾をゴクンと飲んで
「桜が咲く前に菫にお願いがあるんだ」
そう言った。
とーくんが私にお願いするなんて初めての事だ。
とーくんは小さい頃からしっかりしていて、面倒見もよくて私のお兄ちゃんみたいな存在だった。
だから自然と私がいつもとーくんを頼って、とーくんは私のお願いを聞いてくれていた。
とーくんからの初めてのお願いを私が断るはずない。