H! SCHOOL LOVE
…お兄ちゃんが好きなタイプの人の事を言う度に私の悪口が始まる。

込み上げてくる怒りを必死で我慢しようとして肩に力が入り、ストライクが入らなくなった。

今もそうでしょう?

私は被っていたチームの帽子を脱ぎ、ボサボサの髪を結んでいた赤い輪ゴムをほどく。

大雅くん…ごめん。

「大雅くん!!!」

私が大声で名前を呼ぶと、大雅くんが投球の構えを止める。

「集中!!!」

気にしなくていいんだよ?
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