H! SCHOOL LOVE
「小原さん」
「はい」
「美術部に入らないの?」
「はい」
「絵を描くのが好きでしょう?」
「大好きですよ。
だから、お昼休みに後好先生から美術室の鍵を借りて、絵を描いてるんじゃないですか」
「そうね。大好きなのに…美術部には入らないの?」
「入りません」
「どうして?」
「ひがし大に入らないといけないので。
ひがし大に入って、大企業に就職しないといけないので」
「お母さんのため?
ごめんなさい…。あなたの担任の藤並先生から聞いたの。
お母さんと二人暮らしなそうね」
「そうですけど、別にお金に困っているわけじゃありません。
実際、私はバイトなんかしてませんし」
「そうね。お母さんを楽させてあげたいというより、安心させてあげたいのよね? 心配かけたくないのよね?」
「後好先生…。
安心させてあげたいんじゃない。安心したいんです。
心配かけたくないんじゃない。心配したくないんです。自分のためですよ」
「はい」
「美術部に入らないの?」
「はい」
「絵を描くのが好きでしょう?」
「大好きですよ。
だから、お昼休みに後好先生から美術室の鍵を借りて、絵を描いてるんじゃないですか」
「そうね。大好きなのに…美術部には入らないの?」
「入りません」
「どうして?」
「ひがし大に入らないといけないので。
ひがし大に入って、大企業に就職しないといけないので」
「お母さんのため?
ごめんなさい…。あなたの担任の藤並先生から聞いたの。
お母さんと二人暮らしなそうね」
「そうですけど、別にお金に困っているわけじゃありません。
実際、私はバイトなんかしてませんし」
「そうね。お母さんを楽させてあげたいというより、安心させてあげたいのよね? 心配かけたくないのよね?」
「後好先生…。
安心させてあげたいんじゃない。安心したいんです。
心配かけたくないんじゃない。心配したくないんです。自分のためですよ」