チョコレート・ウォーズ
「その用事が告白なんだよ、莉子ちゃん」
突然会話に入ってきた幸弘の言葉に、莉子は目を丸くする。
「ついでに言うと、アイツ、中学の時からよく告白されてるよ。よくわかってなかったの?」
莉子は首を縦に振る。幸弘の言うように、確かに陸斗を呼びに来る子がよくいるなあとは思っていたが、それを告白だとは思っていなかった。
幸弘は、「ま、そんな莉子ちゃんの天然っぷりも魅力のひとつだけどね」と笑って、話を続ける。
「まあ、しばらくすれば陸斗は莉子ちゃんのことしか頭にないってわかってきて、数は減ったけどね。でも、それをわかってない外部入学の奴は、ちょこちょこ告白してるらしいし、今はバレンタインに向けて準備してるって話だけど」
「そう考えると、あの子たちは賢いのかもね。バレンタインに告白するなんて、その他大勢と一緒になっちゃうもの」
「さすが高梨。言うねぇ」
幸弘と杏奈の会話を聞いていた莉子の顔が、段々と青ざめてくる。
知らなかった。陸斗がそんなに人気者だったなんて。
もちろん、幼馴染というフィルターを抜きにしても、陸斗がかっこいい部類に入るのはわかっていた。
好きと自覚してしまった今は、尚更だ。
あんなに素敵な陸斗を、他の女の子たちもほっておくわけがないと思っている。
「莉子? 何不安になってるの。莉子は自信持って陸斗くんに気持ちをぶつけていいんだからね」
「そうだよ、莉子ちゃん。ずっと待ってた陸斗のこと、信じてやれよ」
ふたりの励ましに、莉子は軽く微笑んだ。
「ちゃんと気持ち伝えるって決めたから。私、頑張るよ」
「私もしっかり応援するから。赤瀬も頼んだわよ」
気合いのこもり過ぎた杏奈のパンチが肩に直撃し、「うっ」とうなりながらも幸弘もうなずいてくれた。
そんなふたりの姿を莉子は微笑ましく見つめていたが、ふと頼みごとを思い出し、杏奈へ声を掛けた。
「ねぇ、杏ちゃん。お願いがあるの」
「何?」
「今日の放課後、りっくんのチョコ買うの、付き合ってもらえない?」
突然会話に入ってきた幸弘の言葉に、莉子は目を丸くする。
「ついでに言うと、アイツ、中学の時からよく告白されてるよ。よくわかってなかったの?」
莉子は首を縦に振る。幸弘の言うように、確かに陸斗を呼びに来る子がよくいるなあとは思っていたが、それを告白だとは思っていなかった。
幸弘は、「ま、そんな莉子ちゃんの天然っぷりも魅力のひとつだけどね」と笑って、話を続ける。
「まあ、しばらくすれば陸斗は莉子ちゃんのことしか頭にないってわかってきて、数は減ったけどね。でも、それをわかってない外部入学の奴は、ちょこちょこ告白してるらしいし、今はバレンタインに向けて準備してるって話だけど」
「そう考えると、あの子たちは賢いのかもね。バレンタインに告白するなんて、その他大勢と一緒になっちゃうもの」
「さすが高梨。言うねぇ」
幸弘と杏奈の会話を聞いていた莉子の顔が、段々と青ざめてくる。
知らなかった。陸斗がそんなに人気者だったなんて。
もちろん、幼馴染というフィルターを抜きにしても、陸斗がかっこいい部類に入るのはわかっていた。
好きと自覚してしまった今は、尚更だ。
あんなに素敵な陸斗を、他の女の子たちもほっておくわけがないと思っている。
「莉子? 何不安になってるの。莉子は自信持って陸斗くんに気持ちをぶつけていいんだからね」
「そうだよ、莉子ちゃん。ずっと待ってた陸斗のこと、信じてやれよ」
ふたりの励ましに、莉子は軽く微笑んだ。
「ちゃんと気持ち伝えるって決めたから。私、頑張るよ」
「私もしっかり応援するから。赤瀬も頼んだわよ」
気合いのこもり過ぎた杏奈のパンチが肩に直撃し、「うっ」とうなりながらも幸弘もうなずいてくれた。
そんなふたりの姿を莉子は微笑ましく見つめていたが、ふと頼みごとを思い出し、杏奈へ声を掛けた。
「ねぇ、杏ちゃん。お願いがあるの」
「何?」
「今日の放課後、りっくんのチョコ買うの、付き合ってもらえない?」