【♡番外編♡】おはよう、きみが好きです
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そして放課後、俺たちは作戦通り、空き教室で、泪のプチ誕生日会を開いた。
黒板には、朝登校してきた時に、あらかじめ書いておいた『Happy Birthday』の文字。
「「「「「ハッピーバースデー!!」」」」」
泪を空き教室に呼んで、クラッカーと拍手で出迎えた。
「どうしよう、泣きそう……」
「泪、こっち座れって」
俺が机をくっつけて作った誕生日席に案内する。
そこへ、田崎と委員長がケーキを持ってきた。
「調理室にこっそりおかせてもらったの」
「夕美との手作りだから、盛大に感動しながら食べてよね!」
そこには、手作り感満載のイチゴの誕生日ケーキ。
それを見て泪が、ついに泣いた。
「もうっ、嬉しすぎるよぉ~っ」
親友のふたりに抱き着く泪に、俺まで幸せな気持ちになる。
あぁ、好きな女の子の笑顔って、こんなにも心を温かくするのか。
改めて、思い知ってしまった。
「俺たちからは、シャンパン」
「ノンアルコールだから、安心してな?」
幸人と和樹が、シャンパンを紙コップに注ぐ。