【♡番外編♡】おはよう、きみが好きです
夕食を食べた後、あたしと八雲はお風呂に入り、ソファーで一緒に『初恋マカロン』のDVD映画を見た。
隣に座る八雲から、同じシャンプーの匂いがする。
身じろぎすると、八雲の温もりに触れる。
たったそれだけのことが、落ち着かないのに嬉しい。
「これ、八雲とのデート寝てすっぽかしちゃったから、映画館で見られなかったんだよね」
「あん時は、泪が過眠症だって知らなかったからな」
2人で、あの時のことを振り返る。
つい最近といえば、最近だけど。
なぜか、遠い昔のように感じる。
それって多分、八雲と数えきれないほどの思い出を重ねてきたから。
でも、決して消えることはなく、どれも色鮮やかに思い出せるんだ。
「八雲が、あたしの病気を知らなくても、八雲はいつも欲しい言葉をくれたよ」
八雲はあたしのことを責めたりはしなかったし、むしろ何度約束を破られても、何度も約束しようって言ってくれたんだよね。
「その時に、あぁ、この人のことが好きだなって、思ったんだ」
「……ったく、泪は俺を喜ばせるのうますぎ」
「あっ……」
八雲に、肩を引き寄せられる。
そのまま、コテンッと額が八雲の胸板に当たった。