桜の季節、またふたりで
翌日の火曜日、図書館の帰りに斉藤さんに送ってもらう途中で、


「そうだ美春ちゃん、今週末の大学祭こない?」


と誘われた。


「すみません、週末はだいたいバイトしてるんです」


「そっか、大学の雰囲気を知るチャンスだと思ったんだけどな」


「そうなんですか」


「半日でも、調整できないかな?


俺の都合はどうにでもなるから」


「斉藤さんの都合って、何ですか?」


「美春ちゃんを案内するから、時間あわせるってことだよ」


大学構内を歩く機会なんて、あまりない。


実際に見たら、勉強のモチベーションあがるのかも。


「ちょっと、調整できるか相談してみます。


できたとしても、午後だと思いますけど」


「調整できることを願ってるよ」


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