桜の季節、またふたりで
そして、大学祭当日の日曜日。


今日まで竣くんには、何度か電話した。


でも、よっぽどの事情があるのか、竣くんは電話に出なかった。


土曜日も今日の午前中もバイトだったから、っていうのは言い訳で、電話じゃなくてもメールすればいいだけなのに、木曜に一度返事をしなかっただけでメールはしづらくなった。


竣くんにメールするか迷っていたら、いつのまにかバイト終了時間近くになっていて、まどかが入ってきた。


「美春、おつかれ」


「まどか、今日はありがとう」


「いいっていいって、また課題みせてもらうし。


それより、どんな雰囲気なのか楽しんでおいで」


「うん、行ってくる」


「あっ、美春のロッカーに洋服入れといたから、それ着ていいよ。


いま着てる服でもいいけど、年上だらけの場所に行くんだから、ね?」


「えっ、でも・・・」


「返してくれるのはいつでもいいから。


雰囲気変えて、たまには楽しんでおいで」








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