桜の季節、またふたりで
大学の正門前はものすごい人で、圧倒されていると、


「美春ちゃん、こっち!」


斉藤さんが手を振っていた。


「迷わず来れた?」


「はい」


「ワンピース似合ってるね」


「あ、ありがとうございます」


「じゃあ、行こっか。


美春ちゃんは文学部志望だから、まずはそっちな」


校舎へ向かう道は並木道で、紅葉の頃はキレイだろうな、と想像した。


来年私は、学生としてこの道を歩いてるんだろうか。


案内される大学構内は何もかも新鮮で、すごく楽しかった。


あっという間に夕方になり、斉藤さんと一緒に帰ることになった。


「後片づけとかはいいんですか?」


「俺は昨日やれるだけやったから、平気。


今日はどうだった?」


「楽しかったです、ありがとうございました」


「モチベーションあがるといいな」


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