桜の季節、またふたりで
「美春、お昼食べよう」


「まどかごめん、食欲なくて。


ちょっと寝る」


「美春、五十嵐さんのこと、まだ待ってるんだ?」


「待ってるっていうか、白黒ついてないっていうか」


「ほら、美春の好きなくるみパンあげるから、少しでも食べな」


「ありがと、でも、本当に食欲なくて・・・」


そう言いながら、目の前がグラッと揺らぐ感覚があった。


遠くの方から、私を呼ぶ声や誰かが走っていく音がする。


あー、このままずっと、眠っていたいな。


そうしたら、夢ばかりみられるのかな。


悪い夢だったら、やり直せばいいし。



目を開けたら、真っ白な天井が見えた。


見覚えのない天井だな。


ここ、どこだろう。


横を見たら医療機器があって、病院なんだと思った。


なんで私は、病院にいるんだろう。


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