桜の季節、またふたりで
12月に体調を崩して入院したのをきっかけに、コンビニのバイトを辞めた。


体調のこともあるけど、勉強に集中したかったから。


月曜以外はひたすら、閉館時間まで図書館で勉強した。


月曜は、斉藤さんの自宅で勉強を教えてもらった。


自宅へ行くことには最初抵抗があったけど、斉藤さんのお母さんがいて優しくしてもらい、少しずつ慣れていった。


クリスマスも年末年始も、イベントとは無縁の生活を送り、年が明けてセンター試験本番の朝を迎えた。


年末までずっと、竣くんに1日1通メールを送っていたけど、新年を迎えてからは送らなくなった。


返事がなくても返事を期待してしまうことに、疲れたからだ。


試験が始まり、竣くんがプレゼントしてくれた鉛筆で答案用紙を埋めていった。


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