桜の季節、またふたりで
大学生
大学には、家から電車で通った。


通学途中のターミナル駅の本屋で、バイトも始めた。


文学部は想像以上に女子が多くて、数人ずつのグループができ、私もひとつのグループに入った。


サークルは、悩んだあげく読書サークルにした。


月に2回くらい集まって、読んだ本について感想やおすすめ度を発表したりするらしい。


斉藤さんは、同じ大学の教育学部3年生で、ゼミも始まって忙しそうなのに、何かと教えてくれた。


竣くんがいないことをのぞけば、幸せな毎日だった。


毎日携帯を開くたびに、竣くんのメールがないか確認することは習慣になっていたし。


4月の私の誕生日も、もしかしたら何かあるんじゃないかって期待したけど、結局何もなかった。


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