桜の季節、またふたりで
残りの顔半分で、実際に自分でやってみるように言われ、しぶしぶやってみた。


アイラインはゆがんじゃうし、マスカラはまぶたについちゃうし、眉は同じように描けないし、さんざんだった。


でもなぜか、もっとうまくなりたいと思っている自分もいた。


綿棒とアイメイク専用リムーバーで私の失敗を直しながら、


「このメイク道具とテクが、私から美春へのお祝いだからね」


まどかは、満足そうに笑ってた。


「そんな、こんなにたくさんもらえないよ」


「いいの、美春には何度も課題みせてもらったし、応援したいんだから。


その代わり、私がネイリストとしてデビューしたら、最初のお客さまになってよね」


「まどか、ありがとう」


「美春には、キレイな女子大生になってほしいし、あんなすごい大学に友達がいるなんて、私の自慢なんだからね」


それから、ふたりでお風呂に入って、メイク落としの方法も教えてもらった。





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